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耐震ケーブルブレース コラム Column

最短即日施工|工期短縮を実現する耐震ケーブルブレース

狭小空間 設備の干渉 短工期
制限のある条件下での耐震補強に。
軽くて柔軟、一般的なブレースよりも強い
耐震ケーブルブレース

阪神大震災、東日本大震災などこれまで日本では大きな地震が発生してきました。2016年に発生した熊本地震や2018年に発生した北海道胆振東部地震(共に最大震度7)など、東日本大震災の後も震度6弱以上の地震が発生しています(※1)。また、今後30年に発生する震度5以上の地震の発生確率は、日本国内のほぼ全域において26%以上とされています(※2)

地震大国の日本においても、工場や倉庫など大きな建物が多くあります。中には現在の耐震基準を満たさない古い建物や、不安を感じるような状態の建物もあるでしょう。

耐震対策の重要性が高まる一方で、施主目線としては耐震工事期間中の製造ラインの停止が気になり、設計士やゼネコン目線としては、施主のニーズを理解しつつも一般的なブレース工法での工期短縮に限界を感じることがあるかと思います。

このような課題を解決できるのが「耐震ケーブルブレース」です。この記事では、耐震ケーブルブレースの特徴や、どの程度の工期で施工できるのか実績を踏まえつつお伝えします。

※1:tenki.jp「過去の地震情報震度6弱以上
※2:地震調査研究推進本部「全国版地震動予測地図

工期短縮を実現する耐震ケーブルブレース

建物の耐震補強と聞くと、壁に斜めに取り付けられた太い鉄骨部材(ブレース)を思い浮かべるでしょう。そのブレースを形鋼や棒鋼ではなくワイヤロープ(PC鋼より線)に置き換えたものが「耐震ケーブルブレース」です。

なぜ工期を短縮できるのか

耐震ケーブルブレースは一般的なブレース(形鋼や棒鋼)に比べて大幅に工期を短縮できます。その理由となる特長を以下にご紹介します。

取り付けが簡単

1つ目の理由は取り付けが容易にできることです。耐震ケーブルブレースは、トルクレンチを用いた人力での取付が可能です。(最大30kN)。専用工具や大きな設備が必要ないため、比較的容易に取り付けられます。また、耐震ケーブルブレースは一般的なブレースに比べて軽量で柔軟性が高いのが特徴です。取り回しやすく、狭い空間でも作業者の身体が入る程度のスペースがあれば取り付け可能です。

運びやすい

2つ目の理由は運搬が容易にできることです。耐震ケーブルブレースは軽量で柔軟性があるため、運搬時は直径1.5m程度のコイル状にすれば細径の場合、一人で運搬できます。C-BR15.2mmx 30mの耐震ケーブルブレースで重量は約50kgです。そのため、平面での運搬に重機は不要で、地上から足場までの運搬でもクレーンを使わなくて済みます(足場の高さにもよる)。

足場が少ない

3つ目の理由は必要な足場が少なくて済むことです。一般的なブレースの場合は、1グリッド(xとyの梁に囲まれたエリア)ごとにブレースが必要です。しかし、耐震ケーブルブレースでは複数のグリッドに対して1組(クロス)で済む場合があり、そもそも柱や梁との接合が少ないのが特徴です。加えて耐震ケーブルブレース同士の交点の接続が不要のため、屋根補強では大梁頂部(屋根のトップの部分)と柱頭部(屋根の下端を支えている部分)、壁補強では柱頭部に足場があれば施工できます。

このような理由により、設置にかかる工数やコストを大きく削減できます。また、高さや屋内環境によっては足場を組まず、高所作業車による施工も可能です。

短工期事例

実際に短工期を実現した3つの事例を紹介いたします。

1. 施工期間2日|屋外階段

小学校の屋外階段で採用された事例です。施工期間は2日間と、短工期を実現しました。

物件概要 都道府県 千葉県
施工期間 定着金具:1日、ケーブル:1日
ケーブル仕様 7本より15.2 mm
長さ、本数 約2m/4本、約9m/6本

2. 施工期間4日|体育館

千葉県の体育館の屋根で採用された事例です。建物内側(=屋根の下)に水平に耐震ケーブルブレースを取り付けました。

物件概要 都道府県 千葉県
施工期間 定着金具:2日、ケーブル:2日
ケーブル仕様 19本より28.6mm
長さ、本数 約2m/4本、約9m/6本

3. 施工期間6日|民間企業事務所

大阪府にある民間企業で採用された事例です。大型重機を使わず、天井裏の干渉物を避け配線しました。

物件概要 都道府県 大阪府
施工期間 定着金具:4日、ケーブル:2日
ケーブル仕様 19本より28.6mm
長さ、本数 約5m/8本

工期短縮により得られるメリット

このように耐震ケーブルブレースは工期短縮に非常に貢献できる耐震補強材です。それでは、工期を短縮した先にどのようなメリットがあるのかを説明します。

工場の生産・運営停止期間の短縮

製造業の会社が売上を立てて利益を残すためには、工場を稼働させてより多くの商品を製造する必要があります。しかし、耐震工事を行うときは、基本的に工場の稼働を止める必要があります。

耐震ケーブルブレースの施工は、従来工法に比べて工期が短いのが特徴です。先の事例のように2日で終わる工事なら土日などの休日に、それ以上かかる工事でも休日に複数回施工したり、長期休暇を利用したりすれば、工場の稼働への影響を最小限に抑えられます。

耐震ケーブルブレースは売上や利益の減少を最低限に抑えつつ、耐震補強工事ができるのです。また、条件によっては居ながら施工(工場を操業したままの施工)も可能です。

全体コストの削減

工期が短いということは、必要な人工も少なくなります。また、耐震ケーブルブレースは人力による運搬や施工(締め付け)が可能なため、必要な機材が少ないことも特徴です。これらの理由により、従来工法に比べて工事費(コスト)を圧縮できます。

狭小空間 設備の干渉 短工期
制限のある条件下での耐震補強に。
軽くて柔軟、一般的なブレースよりも強い
耐震ケーブルブレース

短工期で安心安全な耐震ケーブルブレース

耐震ケーブルブレースの施工は基本的にボルト締結で行うため、火気(アーク溶接など)を使用しません。そのため、火気の養生が必要ないことはもちろん、火気厳禁の工場であっても施工できます。ただし、柱や梁の形状によっては定着金具を溶接で取り付ける場合もあります。

強度5倍、軽さ5分の1

耐震補強工事に使う部材であるため、材料特性は気になるでしょう。しかし、PC鋼より線を使用している耐震ケーブルブレースの強度(引張応力)は一般的なブレース材(SS400)の約5倍あります。十分な強度を持ちつつも重量は約5分の1であるため、安心して施工・使用できます。また、弾性係数は一般的なブレースと同等です。

一般的なブレース材と耐震ケーブルブレースの比較表を示します(表1)。

項目 内容
耐力 一般的なブレース材(SS400) の約5倍
重量 一般的なブレース材(SS400) の約3割(端末金具込み)
一般的なブレース材(SS400)の約4割
弾性係数 一般的なブレース材(SS400) と同等
施工期間 一般的なブレース材(SS400)の約4〜6割
価格 ケーブルを3面以上で配置 → 材工価格でメリット(足場を含むと拡大)

圧倒的な施工性の良さ

耐震ケーブルブレースのメリットを感じるのは施主だけではありません。施工業者にとってもメリットがあります。

まず、C-BR15.2mm x 30mのケーブルで約50kgという重量、また緊張はトルクレンチを使用して人力にて行うため、運搬・施工が比較的容易です。基本的にトルクレンチ以外の工具を必要としないため、人の身体と工具が入る程度のスペースがあれば、狭小空間での施工が可能です。

一般的なブレース材に比べて端末金具がコンパクトなため、耐震ケーブルブレースが既存の柱に干渉する場合でも、必要最低限の通し穴と補強材の取り付けで対応できます。条件によっては居ながら施工も可能です。

建設技術審査証明取得

耐震ケーブルブレースは一般的なブレース材と異なり、複数グリッドをまたいで取り付けることがあります。はじめての施工の場合に不安を感じるかもしれませんが、耐震ケーブルブレースは一般財団法人 日本建築センター(BCJ)の「建設技術審査証明」(BCJ-審査証明-198)を取得しています。これは新しく開発された建築物などに関わる技術に対して、学識経験者らで構成される委員会において、その特徴や優位性を審査するものです。もちろん、従来のような単グリッドの壁や屋根への施工も可能です。

なお、必要なケーブル径は「屋内運動場等の耐震性能診断基準(文部科学省)」の精算法に基づいて計算します(手計算)。基本的に応答解析は不要です。

部材記号 呼び名(直径)※1 公称断面積
(㎟)
最大試験力
(kN)
Py
(kN)※2
0.85Py
(kN)※3
伸び
(%)
弾性係数
(kN/㎟)
より線単位
質量(kg/m)
端末金具 質量
固定端側
(kg/組)
調整端側
(kg/組)
C-BR12.7 7本より 12.7mm 98.7 183 以上 156 以上 132 3.5 以上 0.85 2.8 2.8 5.5
C-BR15.2 7本より 15.2mm 138.7 261 以上 222 以上 188 1.19 4.7 4.7 7.6
C-BR17.8 19本より 17.8mm 208.4 387 以上 330 以上 280 1.81 7.7 7.7 12.8
C-BR19.3 19本より 19.3mm 243.7 451 以上 387 以上 328 2.11 9.9 9.9 16.3
C-BR21.8 19本より 21.8mm 312.9 573 以上 495 以上 420 2.64 14.9 14.9 24.5
C-BR28.6 19本より 28.6mm 532.4 949 以上 807 以上 685 4.46 32.5 32.5 47.2
※1:溶融亜鉛めっきを施した素線を、より合せて構成
※2:Py=0.2%永久伸びに対する試験力
※3:0.85Py=使用引張力(BCJ-審査証明-198)

導入を検討されている設計者様へ

鉄骨設計は建物の骨格だけに失敗が許されないので、新工法は設計・施工に不安な点もあるかと思います。耐震ケーブルブレースは販売開始から10年以上が経過し、導入実績は200件以上と年々増加しております。初めて施工される時は、納入時または取付時など、ご希望の日時に弊社より指導員を派遣して、取り扱い説明をいたします。

設計上のご不明点は、ぜひお問い合せフォームからお聞かせください。関連資料をダウンロードできますので、検討のお役に立てたらと思います。

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耐震ケーブルブレース 取り付け体験

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弊社では信頼できる施工会社様をご紹介しておりますので、お気軽にお問い合せください。尚、お付き合いのある施工会社様での施工も可能です。

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