ばね用の線材を専門に扱う部署で、自動車のエンジンに使われるオイルテンパー線という部材に関する技術を担当しています。私の業務は工程設計、品質の管理・改善、新製品や新技術の性能・規格確認実験、技術的な問い合わせへの対応などです。

オイルテンパー線とは簡単に言うと、エンジンのピストンを上下させるためのばねです。何度上下しても劣化せずに形状を保てるようなクオリティーが求められます。ばねとはもともとそういう部品ですが、自動車のエンジンという、何かあれば人の命にかかわる部分なので、性能は徹底的に追求しなければなりません。当社がつくるのはばねそのものではなく、あとでばねになるための線材です。ばねになって使われたときに、折れずに形状を保てるような性能を満足させるためには、ミクロン単位のキズ一つたりとも許されません。たとえば条長が長く重量10トンにもなる線であっても、どこか1カ所でもミクロン単位のキズがあれば製品にはできません。絶対折れないものをつくるには、それほどの品質が求められるのです。

品質改善も重要な業務です。お客様から改善要求がある場合はもちろんその要求を満たすための対応をしますが、改善点を自分で探しに行くことも多いんです。というのも、入社当初は、与えられたこと・頼まれたことをこなすのが仕事である、というイメージを持っていたのですが、自分で仕事を探すのも大事なことだと知るようになったからです。自分が主導した品質管理や改善が、狙い通りの性能を実現できたときは、技術者として一番うれしい瞬間です。これは取りも直さず、製造スタッフとの意思疎通が上手くいったことを意味します。今後は社内だけでなく、外部の協力会社やお客様との関係構築にも努めたいと思います。

印象に残っているエピソード

入社当初は、会社がどうやって動いているのか、一つの製品がどうやってつくられていくのか、さっぱり分かっていませんでした。技術があって、設備、製造、営業、そして管理部門、あらゆる人が関連し合ってはじめて会社が成り立っています。例えば自分は製品の仕様を考え設計するが、つくるのは製造スタッフ。分かれているように見えますが、実は一つなんです。技術担当にとっては、製造担当とのコミュニケーションがないと仕事ができないんだということに次第に気付くようになりました。

選んだ理由

いつだったか、とあるテレビ番組で誰かが「男は子孫に自慢できる仕事をすべきだ」と言っていました。なんだかその言葉がとても深く心に響いたんです。別に男だからというわけでもないのですが、就職活動をするときもこの言葉を意識し続けていました。大学で材料工学を専攻していた私は、材料メーカーを就職先にと考えて回っていたのですが、そこで出会ったのが当社でした。高い技術力で社会を足元から支えている会社、ここなら誇れる仕事ができると思いました。

一日のスケジュール

仕事イメージ
  • 8:30

    出社

    部署でミーティングを行う。

  • 9:30

    デスクにて

    メールチェックをして、返事が必要なものはこのときに対応します。

  • 10:00

    工場にて

    品質確認をします。

  • 13:00

    調査業務

    お客様から送られてきた部材の不具合や改善すべき点を調べます。

  • 15:00

    来客対応

    お客様がいらっしゃることもあれば、自分で出向くこともあります。

  • 17:00

    データ整理

    その日に実施した実験や調査の結果をまとめます。

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